サイバーエージェントがネット動画の生中継事業に本腰を入れる。芸能人や著名ブロガーを起用し、公開生中継をスマートフォン(スマホ)に配信する。スポーツや音楽ライブといった生番組も順次増やす。東京・原宿に生中継用のスタジオも設ける。想定視聴者である女性向けの企業や著名人を募り、先行する「ニコニコ生放送」のマニアやサブカルチャー路線と差異化する。ネット動画市場の競争が熱を帯びそうだ。

写真1●生中継の音楽ライブなどをスマホで視聴できる(開発中の画面)
写真1●生中継の音楽ライブなどをスマホで視聴できる(開発中の画面)
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 サービスの名称は「AmebaFRESH!」。2015年10月にも正式に提供を始める(写真1)。同名のスマホアプリも同時期に提供するほか、パソコンやスマホのWebブラウザーからも生中継の動画を視聴できる。

 配信するのは、芸能人や著名ブロガーを起用した娯楽番組だ。アイドルや音楽アーティストが出演するトーク番組、お笑い芸人のコント、ファッションや化粧品、映画といった企業の冠番組などを想定する。

 こうした番組配信を後押しするために同社は7月18日、JR原宿駅の竹下口に動画配信用のスタジオ「AmebaFRESH!Studio」を開設する(写真2)。1階のスタジオは道路に面したガラス張りで、撮影や配信の様子を一般の通行人に公開する。2階には個室のスタジオも16個設ける。サイバーエージェントは芸能人や企業と契約し、スタジオを提供する。

写真2●JR原宿駅前の竹下口にスタジオを開設する(外観イメージ)
写真2●JR原宿駅前の竹下口にスタジオを開設する(外観イメージ)
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 スタジオからの番組のほか、スポーツの試合や娯楽イベントの生中継も配信する。サッカーや格闘技、音楽のコンサートや「フェス」と呼ばれる野外イベント、ファッションショーなどを想定する。

 配信するコンテンツは広告付きの無料版と有料版の両方を用意する。有料コンテンツの料金は未定だが、番組のチャンネルごとに月額数百円程度とみられる。配信する番組数は毎日50本以上、年内に5000本を目標とする。