NTTデータが海外事業である「グローバル」事業の組織再編に乗り出した。NTTデータは2017年7月1日付でグローバル経営を統括する新組織「グローバルマーケティング本部」を本社組織として設立した。これまで別々に統括していた国内事業とグローバル事業の境界をなくし、グループの連携や経営の効率化を図る。

 NTTデータは2017年3月期に35%だったグローバル事業の売上高比率を、2019年3月期に50%まで高める目標を掲げている。さらに2025年ごろに達成を目指す長期経営ビジョン「Global 3rd Stage」では日本もグローバルの一地域とみなして、世界全体で売上高比率の構成を組み替える。

 具体的には日本を含むアジア・太平洋、北米、EMEA(欧州、中東、アフリカ)・中南米の3地域で、それぞれの売上高比率を4対3対3にする。グローバルに事業の中心が移るなか、組織を効率的に管理するには「コーポレート(本社組織)にもグローバル横断機能が必要になる」(岩本敏男社長)と判断。日本頼みだった利益構造を変えて、内弁慶からの脱却を図る。

NTTデータが長期経営ビジョン「Global 3rd Stage」で目指すグローバル推進体制
NTTデータが長期経営ビジョン「Global 3rd Stage」で目指すグローバル推進体制
(出所:NTTデータ)
[画像のクリックで拡大表示]

 再編のポイントはグローバル横断の営業やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の機能を、公共や法人といった事業部門と横並びの存在から本社組織へと格上げすることだ。同社のグローバル横断機能は営業を担う「グローバルアカウント」、世界共通の製品やサービスの提供窓口となる「オファリング」、BPO部隊である「デリバリー」から成る。これらを本社組織に移管することで、「国内とグローバルの連携を強化し、迅速な経営判断ができるようになる」(NTTデータグループ経営企画本部の安地亮一経営企画統括部長)。

NTTデータグループ経営企画本部の安地亮一経営企画統括部長(中央)
NTTデータグループ経営企画本部の安地亮一経営企画統括部長(中央)
[画像のクリックで拡大表示]