長期保存に使うアーカイブストレージの主役である磁気テープ。その市場をうかがうのが、パナソニックがソニーと共同開発した光ディスク「freeze-ray」だ。クラウド界の巨人、米フェイスブックのデータセンターを足がかりに、1兆円市場を狙う。

 パナソニックは6月23日に、freeze-rayの事業説明会を開催した。freeze-rayは、Blu-rayをベースに記録密度を高めた光ディスクによるアーカイブシステム。2016年1月にディスク1枚当たり100Gバイトの第1世代製品を出荷し、同年3月には1枚当たり300Gバイトの第2世代製品の出荷を始めている。富士通にも「FUJITSU Storage ETERNUS DA700」としてOEM提供中だ。いずれも機器設計の段階から、世界最大のSNS「Facebook」を手がけるフェイスブックと連携し、アーカイブ装置としての機能を強化してきた。

freeze-rayのストレージ装置「データアーカイバー LB-DH7シリーズ」。写真はディスクを収める「ベースモジュール」部が2つの構成のもの。1ラックで最大7台のベースモジュールを搭載し、1.9ペタバイトのデータを保存できる。
freeze-rayのストレージ装置「データアーカイバー LB-DH7シリーズ」。写真はディスクを収める「ベースモジュール」部が2つの構成のもの。1ラックで最大7台のベースモジュールを搭載し、1.9ペタバイトのデータを保存できる。
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 freeze-rayは開発当初、光ディスクを収めたカートリッジ(マガジン)を抜き差しできる側を「前面」、空冷ファンを活線挿抜(ホットスワップ)できる側を「背面」として設計を進めていた。ハードディスクを使ったストレージ装置やラックマウントサーバーでは一般的な構成だ。

LB-DH7を背面から見たところ。空冷ファンは活線挿抜(ホットスワップ)が可能。
LB-DH7を背面から見たところ。空冷ファンは活線挿抜(ホットスワップ)が可能。
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