写真1●富士通のグループ会社富士通アイ・ネットワークシステムズ(FINET)の工場。2015年3月に、生産ラインの停止時間を削減する狙いで実証実験を開始した
写真1●富士通のグループ会社富士通アイ・ネットワークシステムズ(FINET)の工場。2015年3月に、生産ラインの停止時間を削減する狙いで実証実験を開始した
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 ITベンダー各社が、IoTビジネスの拡大に乗り出した(表1)。国内の製造業者を主な対象として、ソリューションを提供。IoT専門部隊を組織するところもある。「工場内の生産コストを削減したい」、「新サービスを創出したい」といった需要に応えるためだ(写真1)。

 富士通やNECは、保有するクラウド基盤やネットワーク構築のノウハウを生かし、IoTアプリケーションなどを開発できるサービスを提供開始する。。

 富士通は、2015年8月3日から、PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)である「Cloud IoT Platform」を提供開始。工場内の設備に取り付けたセンサーや、作業員などが装着するウエアラブル端末から、設備の稼働状況や作業員の身体の動きをクラウドに収集する。蓄積したデータを分析して作業工程を可視化し、生産性を向上させることが狙いだ。

表1●ITベンダー各社が提供するIoT関連サービス
企業名サービス提供開始時期価格
富士通「Cloud IoT Platform」
IoT向けアプリを構築できるPaaS
2015年8月3日初期費用5万円
月額5万円から
(ともに税別)
日立製作所遠隔から機器の故障を予防、保守
する「Global e-Service on TWX-21/故障予兆診断サービス」など
2015年3月月額180万円から(税別)
NEC「Industrial IoT」
画像認識やSDNなどの技術・サービス
をソリューションとして体系化
2015年6月16日個別見積もり
NTTデータ産業用3Dプリンターの故障を予防、保守
するサービス
2016年度以降未定

 NECは2015年6月16日、製造業向けのIoTソリューション「Industrial IoT」を提供開始した。同社が強みとする画像認識や、SDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーキング)といった要素技術やサービスを、ユーザー企業が選びやすいように新たに体系化して提供する。2018年度までに累計2000億円の売り上げを目指す。