「例えば5歳からPepperと一緒に育った花子さんが20年後に結婚式を挙げた夜、Pepperが花子さんと過ごした20年間で記録した絵日記や動画から、楽しかった思い出のトップ10を見せてくれる。Pepperと10~20年暮らして涙を流して感動する場面の記録は、家族にとって手放せない宝物になる」――。

 2015年6月18日、ソフトバンクの孫正義社長は感情認識機能を備える人型ロボット「Pepper」の一般販売に関する発表会で、Pepperと数十年間一緒に過ごした家族の未来像をこう説明した(関連記事:ソフトバンクが6月20日にPepperを一般販売、法人向けや海外進出も写真1)。

写真1●ソフトバンクの孫正義社長
写真1●ソフトバンクの孫正義社長
[画像のクリックで拡大表示]

 Pepperの一般販売は、2015年6月20日に始まった。ロボット事業を手掛ける子会社のソフトバンクロボティクスによると、「6月販売分の1000台は販売開始から1分で申し込みが予定数に達し、受け付けを終了した」という。7月以降の販売時期については、同社Webサイトで告知予定とのことだ。孫社長は発表会で「7月分の販売台数は未定だが、少なくとも月産1000台の体制は続けたい」と語った。

 孫社長はPepper以外に工場での産業用ロボットや、無人飛行機のドローンなど多種多様なロボットが増えることで、「30年後にはロボットの数が地球上の人口を超える」と話す。その中でもソフトバンクが注力するのは、ITを活用したスマートロボットだと強調した。

30年後にはロボットが中核事業の一つに

 Pepperの売り上げや利益は現時点ではまだ小さい。孫社長は「最初の5年は研究開発期間だ。5年で黒字になればいい」と述べる。しかし、「30年後はスマートロボット分野がグループの中核事業の一つになる可能性がある」と力を込めた。