総務省は、マイナンバーカード(個人番号カード)の1日当たり申請件数が1万件程度に鈍化していることを明らかにした。ピーク時の申請ペースは10万件を超えていたとみられ、実質10分の1程度に落ち込んでいる模様。カードが普及するかどうか、正念場を迎えているようだ。

 総務省がカードの1日当たり申請件数について説明したのは、2016年6月2日に開催した「公的個人認証サービス等を活用したICT利活用ワーキンググループ」。ワーキンググループでは、コンビニエンスストアやクレジットカード、携帯電話キャリアの各社が、カード内蔵ICチップに搭載した公的個人認証(JPKI)を利用するサービスの実証実験に参画している(図1)。

図1●マイナンバーカードを活用した利活用将来像
図1●マイナンバーカードを活用した利活用将来像
(出所:総務省)
[画像のクリックで拡大表示]

 申請が落ち込んでいる原因の一つに、これまで自治体が利用するカード管理システムに障害やアクセス集中による遅延が、たびたび生じたことが挙げられる。自治体は窓口の混雑を避けるため、1日当たりの交付枚数を抑えざるを得なかった。6月21日時点までで約1062万枚の申請があったのに対して、交付済みは565万枚にとどまっている。

 総務省が公表した自治体ごとのカードの交付計画によると、都市部で2016年5月に申請した分の交付は最長で11月にずれこむ恐れがある。総務省は、2017年3月までにカード3000万枚分を配る予算を確保しており、カードの普及に躍起だ。