「2016年11月の東京リージョン開設以来、日本市場は好調だ。有償利用する日本の顧客は前年に比べて70%増加している。イベントの入場者も昨年の2000人から1万3000人に増えた」。

 グーグル日本法人は2017年6月14~15日、Googleのクラウドサービスをテーマにしたイベント「Google Cloud Next'17 in Tokyo」を開催。米GoogleでGoogle Cloudシニア バイス プレジデントを務めるダイアン・グリーン氏は冒頭のように話し、日本市場向けのビジネスが好調に推移していることを説明した。

写真●米GoogleでGoogle Cloudシニア バイス プレジデントを務めるダイアン・グリーン氏
写真●米GoogleでGoogle Cloudシニア バイス プレジデントを務めるダイアン・グリーン氏
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 IaaSやPaaSといった企業向けのクラウドサービスとしては、米Amazon Web Services(AWS)や米Microsoftの「Azure」が先行しており、米Googleの「Google Cloud Platform(GCP)」はその後を追う格好だ。GCPはIaaSの「Compute Engine」に加え、機械学習やビッグデータ処理関連の技術に強みを持っている。

 AWSやAzureに比べて日本市場への参入が後発となるGCPは、企業向けシステム構築でのパートナーやユーザー事例の少なさが「弱点」として指摘されていた。これに対し、グーグルはGoogle Cloud Nextの檀上にパートナーやユーザーを招き、二つの弱点の克服をアピールした。

NTTコム、KDDI、ソフトバンクをパートナーとして獲得

 パートナーについてグーグルは、基調講演の場でNTTコミュニケーションズ(NTTコム)と契約を結んだと明らかにした。NTTコムは今後、GCPとグループウエアである「G Suite」を販売する。

 基調講演に登壇したNTTコムの森林正彰 取締役クラウドサービス部長は、「当社とグーグルのクラウドサービスを接続して提供するといった可能性も検討する。未来志向という点で、グーグルと協業できるのではと考えた」とグーグルとの提携について説明した。

 NTTコムがグーグルとの提携を発表する2日前の2017年6月12日には、KDDIとソフトバンクがそれぞれGCPのパートナーになると発表している。両社とも既にG Suiteのパートナーとなっていたが、販売するサービスにGCPも加えた。

 両社のように「G SuiteのパートナーがGCPに取り組むケースが増えている」とグーグル日本法人の阿部伸一 Google Cloud日本代表は説明。NTTコムに加え、KDDI、ソフトバンクと大手通信事業者をGCPのパートナーとしたことで、「既存のパートナーも含めてパートナーコミュニティを活性化したい」(阿部 Google Cloud日本代表)とした。