2017年6月7日~9日の3日間、千葉県・幕張メッセでネットワーク関連の展示会「Interop Tokyo 2017」が開催された。

 Interopでは毎年、出展企業各社の製品、サービスを表彰するアワード「Best of Show Award」が設けられる。前回のInterop開催からの1年間に発売または発表された最新の製品/サービスを対象に審査し、グランプリ、準グランプリ、審査員特別賞を授与する。筆者は今回、このアワードの審査委員を務めた。ここでは受賞した製品/サービスをいくつか取り上げ、注目のネットワーク技術を見ていこう。

セキュリティの新キーワード「CASB」

 アワードでは、製品やサービスのカテゴリーごとに部門を分けて表彰しているが、セキュリティ機能を備える製品やサービスは部門を横断して評価が高かった。

 例えば、クラウドサービス部門では、シスコシステムズの「Cisco Cloudlock」がグランプリを受賞した。クラウドサービス利用時のセキュリティを高める「CASB」(Cloud Access Security Broker)と呼ばれる製品/サービスだ。

 CASBとは、企業内のユーザーが利用するクラウドサービスを可視化し、利用状況を監視したり、利用を制限したりする製品である。クラウドストレージサービスの利用を禁止している企業は少なくないが、ユーザーが勝手にサービスを利用していても、利用状況を把握して利用をやめさせるのは容易ではない。CASB製品を利用することで、こうしたサービスの利用を一元管理できるようになる。

 Cloudlockでは、GoogleやFacebookなど、主要なクラウドサービスの認証情報と連携することで、これらのサービスの利用者を可視化できる。また、GoogleやFacebookのアカウントを利用して認証が可能な各種アプリケーションの利用状況についても把握し、利用を制限することが可能だ。可視化や制御には、クラウドサービス間の認証を連携するプロトコルOAuth使う。

クラウドサービス部門グランプリの 「Cisco Cloudlock」のデモ
クラウドサービス部門グランプリの 「Cisco Cloudlock」のデモ
「CASB」(Cloud Access Security Broker)と呼ばれるカテゴリーのセキュ リティサービス。ユーザーが危険なクラ ウドサービスを使わないように一元管理 できる。
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