「CtoC」と呼ぶ個人間の電子商取引(EC)が急速に消費者の支持を集めつつある。ネット上でフリーマーケットを再現するスマートフォン向けサービスが相次ぎ登場。情報サイトのオールアバウトが自動車など高額品に絞ったフリマ事業を強化するほか、ハンドメイド品取引で最大手の「minne(ミンネ)」が2番手を買収し競争が激化している。

 オークションサイト「ヤフオク!」など、ジャンルを問わず何でも売買できるサービスは古くからあったが、現在人気を博すのがいわば特化型だ。画像認識技術でサイト内の模倣品を見つけ出す支援サービスも登場するなど、各社は取引の信頼性を高める工夫にも力を注ぐ。第二幕に突入したCtoCが起爆剤になり、3%程度にとどまる日本のEC化率の底上げに一役買う可能性がある。

消費増税で商機到来、高額品に照準

写真1●個人が出品した自動車を検索して購入できる
写真1●個人が出品した自動車を検索して購入できる
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 「嗜好性や単価が高く、他社と差異化しやすい分野を狙う」。オールアバウトの江幡哲也社長は、CtoC事業には高い成長力が秘められていると語る。

 同社の構想は、高級ブランド品や高級アクセサリー、時計、ゴルフ会員権など、数万円から百万円を超える高価格帯商品に狙いを絞ったCtoCサービスだ。第一弾として昨年自動車修理を手がけるカーコンビニ倶楽部と共同出資会社を設立し、9月に中古車を取引する「カーコン・マーケット」を始めた。個人が中古車を出品し、Webサイト上でほかの個人に販売できるのが特徴だ(写真1)。

 単に売買を仲介するのではなく、車の品質を保証しつつ売買手続きも簡素化するなど利用者の利便性を高めた。一定の品質を担保するため、出品できる自動車は修理歴なしのものに限るといった制限を設けた。販売した全ての自動車について、購入後1年内についた傷やへこみの修理代金も5万円まで保証する。手続きについては、車両の名義変更や車庫証明手続き、車両を陸送する手続きは、カーコン・マーケットに代行してもらえる。