写真1●2012年7月1日に「うるう秒」を実施したときの、情報通信研究機構(NICT)の「日本標準時システム」の表示。「8:59:60」を示している
写真1●2012年7月1日に「うるう秒」を実施したときの、情報通信研究機構(NICT)の「日本標準時システム」の表示。「8:59:60」を示している
(NICT提供)
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 2015年7月1日はいつもより1秒長い日になる。この日、日本標準時(JST)を決定・維持している情報通信研究機構(NICT)が「うるう秒」を実施するからだ。午前9時になる直前に“8時59分60秒”が挿入され、9時0分0秒になるのがいつもより1秒遅れる(写真1写真2)。

 うるう秒の実施は1月に発表済みで、2012年7月以来で3年ぶり。国際協定により初めて実施された1972年7月1日から数えて26回目に当たる。

写真2●「日本標準時システム」の右奥に表示盤がある
写真2●「日本標準時システム」の右奥に表示盤がある
(NICT提供)
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 時刻には地球の回転(自転・公転)の観測データに基づく「天文時」と、人工的に刻まれる「原子時」がある。天文観測で得られる天文時では、1日の長さは毎日ミリ秒単位で不規則に変動するが、時間に厳格な現代社会では、1日の長さが一定ではないといろいろな不都合が生じる。

 そこで、1958年から全世界で「原子時」を使うようになった。原子が出す規則正しい電磁波を基に1秒の長さを定義する考え方だ。しかし、自然現象に基づく天文時と、原子時の間には誤差が生じる。これを補正するのがうるう秒である。

 そもそも天文時は不規則なので、うるう秒の実施頻度も不規則になる。過去の実績では、おおむね1~3年に1回程度、1秒分を追加するうるう秒を実施している。