ユーザー(利用)部門が独自にIT予算を持つ企業は3割強で、今後もその予算は増加傾向にある──。IDC Japanが2015年5月に発表した調査結果から、こうした傾向が明らかになった。

 調査の名称は「2015年国内企業におけるIT購買行動変化調査:非IT部門のIT購買関与状況」。国内企業のIT部門とユーザー部門を対象に、アンケート調査を2015年3月に実施し、IT部門200社(200人)、ユーザー部門400社(400人)から有効回答を得た。

 ユーザー部門が独自IT予算(部門IT予算)を持つと、IT部門が把握しないまま現場で利用されている情報システムである「シャドーIT」が加速する恐れがあると、IDCはみる。その一方で、部門IT予算を持つユーザー部門はIT施策への関与度合いが強いことが調査で判明した。

部門IT予算は「増える」が3割

 調査では「あなたの会社にはユーザー部門が独自に予算化し、IT部門がその策定に関与していないIT予算はありますか」と尋ねた。すると、全体の34.3%が「ある」と答えた(図1)。

図1●「あなたの会社にはユーザー部門が独自に予算化し、IT部門がその策定に関与していないIT予算はありますか」という質問に対する回答
図1●「あなたの会社にはユーザー部門が独自に予算化し、IT部門がその策定に関与していないIT予算はありますか」という質問に対する回答
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 「ない」は34.0%、「分からない」は31.7%。部門IT予算が「ある」とする回答が「ない」をわずかに上回った。

 「今後、部門IT予算はどうなっていくと思いますか」という質問には、IT部門の42.0%、ユーザー部門の30.5%が「増加する」と回答した(図2)。

図2●「今後、部門IT予算はどうなっていくと思いますか」という質問に対する回答
図2●「今後、部門IT予算はどうなっていくと思いますか」という質問に対する回答
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 「減少する」と答えたのはIT部門が12.0%、ユーザー部門が8.8%。部門IT予算が増加傾向にあるとする見方は、IT部門とユーザ-部門で一致していると言える。