画面●「ワタシプラス」のトップページ
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 資生堂ジャパンは2016年4月、顧客向けネットサービス「ワタシプラス」で、マーケティングデータを一元化する「DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)」を、クラウドサービスを使って構築(画面)。顧客のWebサイト閲覧履歴をリアルタイムに取得/蓄積できるようにした。DMPを活用し、効果的なマーケティング施策の実現を目指す。

 「顧客一人ひとりが今、この瞬間に何を考えているかを知りたい。それをつかんですぐにアプローチすれば、顧客満足度を高めたり、その人の行動を後押ししたりできる」。資生堂ジャパン ダイレクトマーケティング部 Web推進室の熊谷健二グループマネージャーはこう話す。ワタシプラス内には、美容に役立つコンテンツや同社の製品情報などがそろう。これらの閲覧履歴は、顧客の興味や関心を推し量るうえで重要な情報となる。

 これまでワタシプラスでは、「Sybase IQ」(現在の名称は「SAP IQ」)を使った、マーケティング用DWH(データウエアハウス)をオンプレミス(自社所有)環境で運用していた。会員情報やワタシプラスのECサイト上での購入履歴を管理するほか、店頭向けの会員制サービス「花椿CLUB」の情報も蓄積し、マーケティングに利用していた。

 Webサイトの閲覧履歴もリアルタイムに蓄積したいという業務ニーズがあったが、「従来のDWHでは、機能や容量の面で難しかった」(資生堂ジャパン ダイレクトマーケティング部 Web推進室の吉本健二氏)。閲覧履歴は、Webサイトのアクセス分析ツールから手作業でデータを取り出して加工し、DWHに入力していた。手間が掛かるので作業は月に1~2回にとどまり、活用までに時間を要した。