富士通は2015年5月12日、パブリッククラウドの新サービス「K5」を発表した。IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)とPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)を一括提供する。「富士通社内で培ってきたSEの知見やノウハウを生かし、クラウド上で顧客システムのビジネス貢献を支援したい」。富士通 デジタルビジネスプラットフォーム事業本部 副本部長の中村記章氏は、こう意気込む。2015年10月に提供を開始する。

 K5は、オープンソースのIaaS構築ソフト「OpenStack」および、PaaS構築ソフト「Cloud Foundry」をベースに開発した。今後、同社の垂直統合システム「PRIMEFLEX for Cloud」にもOpenStackを取り込み、K5とオンプレミス環境を連携させたハイブリッドクラウド運用を可能にする(写真1)。

写真1●富士通が描くハイブリッドクラウド運用
写真1●富士通が描くハイブリッドクラウド運用
[画像のクリックで拡大表示]

 K5上では、システムの設計から開発、運用にわたる共通サービスを顧客に提供。同社がSIで実践してきたノウハウを生かすことで、アプリ開発や運用に掛かる手間を省く。

 この2月、富士通は全社内システムをクラウド基盤上で刷新することを発表、約640システム、約1万3000台のサーバーを移行している最中だ(関連記事:富士通が全社内システムをクラウドへ)。ここで得られるノウハウやツールもつぎ込み、K5上で新たなSIビジネスを確立したい考えだ。