写真1●東京都北東部にある足立区役所
写真1●東京都北東部にある足立区役所
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 東京都の足立区(写真1)は2017年度中に全庁の大半のPCを仮想デスクトップ環境(VDI)に移行する。その基盤として、2016年1月からCPUやストレージ、仮想化ソフトを集約する「ハイパーコンバージドシステム」を導入。5月までにPC約500台分を収容しており、最終的に約1500台分を収容する計画だ。

 足立区は東京23区で最北端にあり、埼玉県と接する。人口は約68万人で、静岡市や岡山市といった政令指定都市に匹敵する規模だ。情報システムの規模も大きく、運用費の増大に悩まされていた。外部人材を登用し、システムの刷新を進めている(関連記事:「見える化」で主導権奪回:足立区役所)。

全システムで仮想化推進

 区のシステムは、小中学校の業務や授業に使う「学校系」と、会計や職員の人事管理などに使う「内部系」、さらに税や住民管理などの行政サービスに使う「基幹系」の3つに分かれる。区はコスト削減を目指し、2010年頃からこれらの全てを仮想化サーバーによるプライベートクラウド環境に移す取り組みを進めてきた。

 すでに学校系と内部系は移行済み。インフラの効率化によって以前は年間42億円程度だった予算を30億円強まで削減できた。

 現在は、残る基幹系の移行を進めている。マイナンバー制度対応を含むアプリケーションの改修を進める一方で、セキュリティ強化のために職員用の端末をVDIに移行する方針だ。

写真2●足立区が採用したニュータニックス・ジャパンのハイパーコンバージドシステムのきょう体。2UサイズにCPUやストレージが収まる
写真2●足立区が採用したニュータニックス・ジャパンのハイパーコンバージドシステムのきょう体。2UサイズにCPUやストレージが収まる
(出所:ニュータニックス・ジャパン)
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 そのための基盤として、ニュータニックス・ジャパン(東京・千代田)の2Uサイズのハイパーコンバージドシステム専用機「NX-3460」を採用した(写真2)。すでに4台(物理ノードは4×4=16ノード)が稼働済みで、PC約500台分のVDI環境を収容している。

 2016年度内に同等機2台の増設を検討中。アプリケーション改修の進捗に合わせて、最終的にVDI環境を約1500台分まで増やす方針だ。