大手ITベンダー10社の2015年3月期の連結決算が出そろった()。10社のうち7社が増収、10社すべてが増益を果たした。公共・金融分野のシステム開発受注がいずれも堅調で各社の好業績を支えた。

表●大手ITベンダーの連結決算と業績予想
表●大手ITベンダーの連結決算と業績予想
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 日立製作所の売上高は前の期比2.1%増の9兆7620億円、営業利益は同11.6%増の6005億円。2013年3月期から3期連続で利益成長を続け、過去最高益を達成した。東原敏昭社長兼COO(最高執行責任者)は、「着実に稼ぐ力がついてきた」と自信を見せる。

 NTTデータは、売上高が前期比12.5%増の1兆5118億円、営業利益は同34.2%増の840億円だった。分社以来26期連続の増収。2016年3月期を最終年度とする中期経営計画で掲げる売上高1兆5000億円を1年前倒しで実現した。

 日立については主力の「情報・通信システム」部門をはじめ、自動車関連部品などの「高機能材料」部門が売上高と営業利益で貢献。「情報・通信システム」部門は増収増益。売上高が5.0%増の2兆322億円、営業利益は9.1%増の1162億円となった。公共・金融向けのITサービスが好調だったほか、為替の影響でストレージ事業が伸び、増収増益に寄与。唯一、通信ネットワーク事業が減収減益だった。