米シリコンバレーを本拠地とする有力ベンチャーキャピタル(VC)の500 Startupsが、日本でのスタートアップ支援事業に本腰を入れる。神戸市と組んで2017年7月31日から10週間の起業育成プログラム「500 Startups Kobe Accelerator」を開催する。

 国内外から20~25組のスタートアップ企業を募り、アプリのデザインから資金調達、法務、投資家へのプレゼンテーション技法まで幅広く指南。プログラムの最後には、投資家を前に事業計画をプレゼンテーションする機会を設けている。

 500 Startupsは2010年の創業。起業したばかりのスタートアップを中心に1800社以上に出資するほか、シリコンバレーでの起業経験を持つメンター(助言者)などを通じて出資先を育成する「アクセラレーター」としての役割も担う。神戸市とのプログラムでも、シリコンバレーのメンターが参加企業に対し、個別面談や講義などで直接アドバイスするのがポイントだ。

 グローバルの投資活動にも積極的で既に投資先の5割は米国外にある。今後も海外展開を進める戦略だ。シリコンバレーのように世界から起業家と情報が集まる都市としてのイメージを打ち出し活性化させたい神戸市との思惑が合致した。

 今回に先駆け、500 Startupsと神戸市は2016年夏に試験的な起業支援プログラムを提供。日本から参加した18チームの半分が数千万円の資金調達に成功した。今回は実施期間を延長して資金提供する企業を増やし、本格プログラムに移行させた。

 ここ数年、国内でも大手企業によるスタートアップ支援の取り組みが相次いでいる。外部の企業や人材と連携してデジタル化を進める「オープンイノベーション」の一環だ。起業の本場であるシリコンバレーのVCが日本で立ち上げる起業家支援プログラムは、これらと何が違うのか。