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ニュース解説

サイバーエージェント、「AbemaTV」黒字化へ布石

玉置 亮太=日経コンピュータ 2017/04/19 日経コンピュータ

 サイバーエージェントが無料ネットテレビ「AbemaTV」の黒字化に向けて、着々と布石を打っている。主役は同社のエンジニア部門だ。見逃し視聴機能を追加し、スマートフォンで見やすくするよう「縦持ち」視聴も可能にするなど、機能強化や品質改善を急ぐ。スマホアプリ事業の成否を左右する利用者増へ、コンテンツの充実と両輪を成すエンジニアリング体制強化を図る考えだ。

 2017年4月、AbemaTVに小さいようで大きな機能改良が実施された。スマホ端末を縦に持った状態で番組を視聴できる「縦持ち視聴」が可能になったのだ。

 映像は画面の上部に表示し、下部には同じチャンネルの放送予定番組や番組へのコメントを表示する。それまでAbemaTVの視聴形態はスマホ画面を横向きにして画面いっぱいに映像を表示する「横持ち視聴」だけだった。

横持ちに加えて縦持ちでも視聴可能に
[画像のクリックで拡大表示]

 「利用者のアプリの起動回数をとにかく増やしたい。この一心で開発した」。開発を率いる長瀬 慶重執行役員AbemaTV開発局長は、縦持ち視聴を可能にした背景をこう語る。同社が目指したのは、スマホ利用者がアプリを起動して映像を見始めるまでのストレスを、少しでも減らすことだ。

 何気ない機能改良のように見える縦持ち視聴。実は複数のアプリをとっかえひっかえするスマホの利用実態を考えると、重要な機能と同社はみる。AbemaTVは既に、別のアプリに切り替えた後も映像と音声を流し続ける「バックグラウンド再生」が可能だ。縦持ち視聴が可能になると、「LINEの返事をしながらAbemaTVをつけっぱなしにしたり、番組にコメントを投稿しながら視聴したりといったことが可能になる」(藤田晋社長)。

 結果、利用時間や起動回数の増加が期待できるというわけだ。

 横持ち視聴のみの従来版では、AbemaTVからLINEなどへ切り替えるために、利用者はいちいち端末の向きを変える必要があった。「縦持ちで起動してスプラッシュ(アプリの起動画面)を見て、横向きに持ち直すという一連の動作すら、利用者にとってはストレスになり得る」(長瀬執行役員)と考えている。

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