法人向け事業の本格展開を発表する、ドコモ・ヘルスケアの和泉正幸社長(中央)ら
法人向け事業の本格展開を発表する、ドコモ・ヘルスケアの和泉正幸社長(中央)ら
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 NTTドコモが企業の「健康経営」需要の攻略を本格化する。企業の従業員に向け体質・体調改善を促す3種類のサービスを提供開始。政府の旗振りもあり健康経営が急速に広がるなか、ドコモのヘルスケア事業を従来の個人向け主体から「個人向けと法人向けを両輪にする」(ドコモとオムロンヘルスケアとの合弁会社であるドコモ・ヘルスケアの和泉正幸社長)よう転換した。ドコモの吉沢和弘社長が掲げる新規事業の拡大に貢献するべく、まず超えるべきハードルは売上高100億円の大台だ。

1カ月で肥満社員の6割が体重減、「体調が良い」人は倍増

 ドコモ・ヘルスケアは2017年4月11日、法人向けに健康経営を支援する「健康サポートLink」「Reborn MAGIC(リボーンマジック)」「フォトエット」の3サービスを発表した。4月12日から順次提供する。

 健康経営のニーズ増大を当て込んだサービスは既に多数あるが、そのなかでドコモ・ヘルスケアのサービスが特徴的な点は二つある。一つは「利用者が1週間、1カ月といった短期間で効果を実感できる」(ドコモ・ヘルスケア ソリューションサービス部の加納靖士氏)ようサービスを設計している点だ。

 Reborn MAGICの利用者はスマートフォン(スマホ)を使って、起床・就寝や食事の時間といった生活リズムと、日々の体調を入力していく。同サービスは理想的な生活リズムとのずれを算出。生活リズムを補正したり体調を改善したりするための「タスク」を複数提案し、いずれか一つを1週間実行するよう促す。

 タスクは例えば「起きたらすぐカーテンを開けて朝日を浴びる」「起床後1時間以内に何か口にする」「毎朝肩を10回回す」など、どんな利用者でも実行しやすい内容とした。継続的にタスクに取り組んでもらうことで「あるメーカーで1カ月試験導入した結果、身長と体重のバランスを示すBMIが25以上と肥満傾向の従業員の6割超が体重を減少させ『体調が良い』と答えた人が2倍に増えた」(加納氏)という。利用者が短期間に効果を実感できるようにし、健康管理へのモチベーションを高める狙いだ。