日本マクドナルドは海外版Apple Payなど海外で普及する非接触決済に全国約2900店で対応する。2017年7月から2018年にかけて、段階的にNFC(近距離無線通信)による決済が使えるようになる(図)。
NFC決済機能を持つ海外版Apple Pay、Android Pay対応スマートフォンや、カードを端末にかざすだけで支払いが完了する「Visa payWave」「Mastercardコンタクトレス」対応クレジットカードが使える。訪日外国人が2016年に年間2400万人を超え、今も増え続ける状況に備える。
同社は「2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、訪日外国人客が自国のマクドナルドと同じ感覚で支払いができる環境を整え、利便性を高める」(オペレーション&テクノロジー本部)と狙いを説明する。
iPhone 7などのスマホはNFC決済に対応しているが、実は細部の仕様が国内外で異なる。海外版iPhoneは「Type A/B」、日本版iPhoneは「FeliCa」規格を採用。このため、外国人が海外版iPhoneを持って訪日しても、多くの店舗で支払いには使えない。
FeliCaは2001年にサービスを始めた「Suica」と「Edy(現楽天Edy)」に採用されて以来、国内の電子マネーで幅広く導入された。だが海外では普及せず、事実上の国内規格になっている。日本マクドナルドも2008年からレジカウンターにFeliCa対応の決済端末を設置し、「iD」「WAON」「楽天Edy」による支払いに対応している。