「CIO(最高情報責任者)が役員室に呼ばれる回数が増えた」。インテル日本法人情報システム部APAC and Japan地域部長の邱天意氏は、米インテルのIT部門による成果をこう表現する。ITへの投資により、それまで事業部門の「裏方」だったIT部門が経営方針に大きな影響力を持つようになった、というわけだ。

 インテルは2016年3月25日、同社のIT部門の取り組みについて報道関係者向けの説明会を開催した。その中で邱氏は、「舞台裏から役員室へ」と名付けたIT投資活動についてのレポートを紹介。「生産性の向上」「ビジネスのデジタル化」「セキュリティの強化」という3つの切り口で具体策と成果を説明した(写真1)。

写真1●インテル情報システム部APAC and Japan地域部長の邱天意氏
写真1●インテル情報システム部APAC and Japan地域部長の邱天意氏
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 米国に本社を置くインテルは、72カ国に153の拠点があり、10万4820人の従業員がいる。IT部門のスタッフは6319人。全従業員のおよそ6%だ。インテルはITインフラに継続的に投資してきた(写真2)。2013年に5万8863台だったデータセンター内のサーバー数は、2015年には2倍以上の14万4040台になった。ストレージは2013年に72ペタバイトだったのに対し、2015年は2倍の143ペタバイトにまで拡張した。

 従業員が主に使っているのはノートPC。デスクトップPCの1万5344台に対してノートPCは14万9632台ある。薄型、軽量の「Ultrabook」や、タブレットのようにも使える「2 in 1」を提唱したインテルだけあって、うち半分がタッチ対応だという。その分、「純粋なタブレットはあまり増えておらず4800台と横ばい状態」(邱氏)。スマートフォンは約5万台が管理下にある。その半分はBYOD(私的デバイスの業務利用)だ。

写真2●米インテルのITインフラの変化
写真2●米インテルのITインフラの変化
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