「豊島(てしま)はIoT(Internet of Things)事業が成功する条件がそろった必勝の地。まずここで成功を収め、世界各国に事業を展開する」

 ソフトバンクとグループ会社のPSソリューションズ、日本オラクルは2016年3月26日、瀬戸内海、小豆島の西方に浮かぶ豊島(香川県小豆郡土庄町)で、電動バイクの貸出サービス「瀬戸内カレン」を始めた(写真1、2)。本田技研工業の協力を得て、通信機能を搭載した電動バイクを用意。全周約20キロメートルの豊島で旅行者や住民を対象に移動手段を提供するサービスとして展開する。冒頭は今回の事業を統括するソフトバンクITサービス開発本部M2Mクラウド事業開発室の山口典男室長の発言だ。

写真1●豊島でソフトバンクが展開する、電動バイクの貸出サービス「瀬戸内カレン」では本田技研工業が提供する「EV-neo」を使用する
写真1●豊島でソフトバンクが展開する、電動バイクの貸出サービス「瀬戸内カレン」では本田技研工業が提供する「EV-neo」を使用する
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写真2●13台の「HONDA EV-neo」を用意した
写真2●13台の「HONDA EV-neo」を用意した
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 貸し出す電動バイクは、本田技研工業が提供する「EV-neo」に専用の車載端末を搭載したコネクテッドバイク。1回約30分の充電で、約34キロメートルの距離を走行できる。貸出サービスの利用料金は1日で3800円(税込)、半日の利用で2700円(同)となっている。

写真3●車載端末が収集した位置情報や加速度、バッテリーの残量などのデータは中央監視センターで一覧できる
写真3●車載端末が収集した位置情報や加速度、バッテリーの残量などのデータは中央監視センターで一覧できる
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 貸出中は車載端末が、位置情報や加速度、バッテリーの残量などのデータを随時取得する。LTE対応の通信機能を備え、5秒に1回の頻度でクラウド環境に送信する。中央監視センターはこれらのデータを基に、危険地域への立ち入りやトラブル発生などにいち早く対処できるとする(写真3)。