画面1●パソコンにプリインストールされている「Office Premium」
画面1●パソコンにプリインストールされている「Office Premium」
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 量販店の店頭に並ぶパソコンの多くにプリインストールされている、マイクロソフトの「Office」。このプリインストール版Officeのライセンス形態が、2014年秋に変更された(画面1)。名称が「Office Premium プラス Office 365サービス」(以下、Office Premium)に変わり、随時Officeの最新版へのアップグレードが可能になった。さらに、オンラインストレージ「OneDrive」の1TBの利用権などが1年間無料で使えるようになった。

 これに伴い、Office Premiumの初回セットアップ時に、Microsoftアカウントの登録が必須になった。この仕様をめぐって、一部で混乱が起こっている。一度登録したMicrosoftアカウントは、後から変更できないのだ。Officeがプリインストールされたパソコンを企業が業務用に購入したり、個人ユーザーが中古パソコンを売買したりする場合には注意が必要だ。

一度登録したアカウントは変更できない

画面2●Office Premium用のマイアカウントページ
画面2●Office Premium用のマイアカウントページ
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 プリインストール版Officeは元々、それを搭載したパソコンでしか利用できないライセンス形態の製品である。パソコンを他人に譲渡した場合は、Officeソフトのライセンスもその人に譲渡される。Office Premiumでもその点は同様だ。

 Office Premiumが従来と異なるのは、Officeソフトに加えて、「Office 365サービス」と呼ばれるサービスの利用権が付属すること。具体的には、「OneDriveの1TB追加容量」「タブレット2台へのOfficeアプリのインストール」「毎月60分のSkype世界通話プラン」「電話などによるサポート」を1年間無料で利用できる。2年目以降は有償(年額5800円)で継続可能だ。

 こうした権利が付属することから、Office PremiumのセットアップにはMicrosoftアカウントの入力が必須になった。Office 365サービスの利用権は、ここで登録したMicrosoftアカウントにひも付けられる。登録後は「マイアカウントページ」と呼ばれる専用のWebページが用意され、Office Premiumの再インストールや、Office 365サービスの契約延長などができるようになる(画面2)。

 ポイントは、このMicrosoftアカウントを後から変更できないことだ。パソコンの利用者が変わった場合、Officeソフトのライセンスは新ユーザーに引き継がれるが、Office 365サービスの利用権は最初に利用登録したユーザーのMicrosoftアカウントにひも付いたままになる。