動画や音楽などのデータをホームネットワーク経由でやり取りするDLNAという規格の業界団体、Digital Living Network Alliance(以下、DLNAアライアンス)が2017年1月5日、Webページ上の告知をもってひっそり解散した。DLNAは、テレビやビデオレコーダーなど多くのネットワーク家電が対応し、現在も対応する新製品が登場する現役バリバリの規格だ。その認証や新版の開発を担うDLNAアライアンスがどうして突然解散したのか。
「DLNAアライアンスは役割を全うした」――こう語るのは、前職でDLNA関連製品を開発し、DLNAアライアンスでソフトウエア認証タスクフォースのチェアなどを務めた三阪 英一氏だ。現在は、DLNA対応ソフトウエアの開発キット(SDK)などを提供するユビキタスで、社長付 市場開発担当シニアマネージャーを務める。
タダでテストツールを配れない
三阪氏が「DLNAアライアンスは役割を全うした」と話すのには、理由が二つある。
DLNAアライアンスは、インテルやパナソニックといった半導体チップや家電などのメーカーが中心に構成する団体。もともとは2003年6月にDHWG(Digital Home Working Group)として発足した。DLNAの仕様を定めたガイドラインを策定する。
DLNAでは、異なるメーカーの対応機器がコンテンツをネットワーク経由でやり取りする。A社のレコーダーで録画したテレビ放送を、隣室のパソコンでB社のソフトウエアを使って再生する、といったことが可能だ。