写真1●「Android for Work」を利用中のAndroid端末のホーム画面。カバンのマークが付いた「仕事用アプリ」と、マークのない「個人用アプリ」のアイコンがある
写真1●「Android for Work」を利用中のAndroid端末のホーム画面。カバンのマークが付いた「仕事用アプリ」と、マークのない「個人用アプリ」のアイコンがある
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写真2●Android for Work製品責任者のラジェン・シェス氏
写真2●Android for Work製品責任者のラジェン・シェス氏
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 米グーグルは2015年2月、スマートフォン/タブレット向けOS「Android」の企業向けプログラム「Android for Work」を発表した(写真1関連記事)。一般的なAndroid端末を「法人版」として使えるようになる。製品責任者のラジェン・シェス氏は「iOSとは異なるアプローチで、法人のモバイル活用を支援したい」と意気込む(写真2)。

 Android for Workはグーグルとサードパーティーベンダーが協業し、Android端末の法人利用を支援するサービスプログラムの総称である。グーグルが提供するAndroid OSやアプリ配布などの汎用プラットフォームと、「EMM(エンタープライズ・モバイル・マネジメント)ベンダー」が個別に提供する管理プラットフォームの組み合わせによって実現する。

 ユーザー企業が利用するには、EMMベンダーと契約する必要がある。既にグーグル自身がEMMベンダーとしてサービスを提供している。他に米シトリックス・システムズや欧州SAPなどもEMMベンダーとして参加することを表明。今後、それぞれがAndroid for Workの仕様に準拠したサービスを提供することになる。

 EMMとしてグーグルを選択する場合は、オンラインストレージ・グループウエアサービスの「Google Drive for Work」の契約が必要になる。利用料金は1ユーザー当たり月額1200円(税別)。既に契約している場合は、EMM機能はGoogle Drive for Workに含まれるため、追加料金なしでAndroid for Workを利用できる。

新興国でのBYOD需要狙う

 Android for Workを利用すると、Android端末内部で法人用と個人用のアプリ・データ領域を厳密に区分し、セキュリティを保った形で同居させることができる。個人保有の端末をそのまま仕事用に使う「BYOD」(私物デバイス活用)を支援する仕組みだ。