世界最大のデータセンター(DC)事業者である米エクイニクスが日本での事業展開を拡大している。複数のクラウドサービスを接続するソリューション「Cloud Exchange(クラウドエクスチェンジ)」の強化のため、投資を拡大。2015年12月にビットアイル(旧社名)を買収したほか、2016年3月9日には新DCを開設した(写真1)。
同社は世界のDC市場でトップシェアを占める。世界21カ国に140カ所以上のDCを展開している。総務省によれば、北南米、アジア、欧州・中東・アフリカの三つの主要な地域でそれぞれ15%前後のシェアを有している(表)。
海外では、複数のクラウドサービスを組み合わせるマルチクラウドを利用して、業務システムを構築する動きが活発化している。そのニーズに応えるため、同社はクラウドエクスチェンジを強化してきた。今回、同社が日本でクラウドエクスチェンジを本格展開する背景について、ブライアン・リリーCIO(最高情報責任者)は「今後5年以内に日本企業の86%がマルチクラウドを導入する」と説明する。
クラウドエクスチェンジの仕組みは次の通り。同社のDC内で複数のクラウドサービスのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)などをあらかじめ接続し、専用のポータルで利用設定を変更できる環境を構築する。
ユーザー企業はWebブラウザーを通して、ポータルの管理画面からクラウドエクスチェンジを利用できる。使用したいクラウドサービスの組み合わせと、必要な帯域を画面上で設定すれば、「数分でサービスを利用開始できる」(同社)という。