日本IBMや日本オラクルといった外資系企業から、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)のような日本の大手IT企業、そして2014年に日本に上陸したばかりの専業企業まで、様々な企業が「好調」として、相次ぎ強化策を打ち出す業務アプリケーションの分野がある。「マーケティングオートメーション」だ。

 マーケティングオートメーションとは、見込み顧客の発掘から、販促、営業担当者のアサインまでのマーケティングに関わる活動を効率化・自動化することを指す。ERP(統合基幹業務システム)やBI(ビジネスインテリジェンス)などの市場が成熟して大きな成長が期待しにくいなか、各社はIT化が進んでいないマーケティング部門の支援を打ち出すマーケティングオートメーションに期待をかける。

 マーケティングオートメーション専業の米マルケトの日本法人の福田康隆社長は、「日本法人を設立したのは2014年3月。本格的な営業体制が整った2014年6月以降、40社の新規顧客を獲得した」と話す。

 2014年からSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)の提供に力を入れている日本オラクルは、「SaaSの中で、2014年に最も引き合いが多かった分野がマーケティングオートメーション。新規ユーザーを着実に獲得できている」(クラウドアプリケーション事業統括の多田直哉執行役員)とする。

 データ分析ソフトのSAS Institute Japanも、2014年の好調分野の一つにマーケティングオートメーションを挙げる。マーケティング本部 ビジネス推進本部長の北川裕康執行役員は「3月中に新製品を投入する」と語る。

市場の広がりに期待

 各社が提供するマーケティングオートメーション製品やサービスは、電子メールなどのDM(ダイレクトメール)の送付などをきっかけに、DMへの反応の分析による見込み顧客(リード)の選別、反応を踏まえたうえでの顧客ごとの広告や営業活動の支援、といった一連のマーケティング活動を支援する機能を提供する。