グループ内で24種類も乱立していたJR東日本のポイントプログラム。駅ビルの商業施設「アトレ」のシステム更新を機に、ようやく一本化が始動した
グループ内で24種類も乱立していたJR東日本のポイントプログラム。駅ビルの商業施設「アトレ」のシステム更新を機に、ようやく一本化が始動した
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 東日本旅客鉄道(JR東日本)が、グループ各社がそれぞれ手掛けてきたポイントシステムの一本化に向けて動き始めた。第1弾として2016年2月23日、新ポイントプログラム「JRE POINT(JREポイント)」を開始。駅ビルのポイントプログラムを順次一本化するほか、今後数年で「Suica」「ビューカード」のポイントプログラムも統合。将来は商業施設だけでなく、鉄道などの利用に対するインセンティブにもJREポイントを活用する意向だ。

24種類もあったポイント、アトレのシステム更新を機に一本化

 もともとJR東日本グループでは、ポイントプログラムが乱立しているのが課題だった。現在はグループ内で運用されているポイントプログラムは24種類にも上る。「それぞれの商業施設が近隣商圏向けプログラムとして始めた経緯もあり、システムもバラバラだった」(JR東日本の松崎哲士郎執行役員)。

 その状態のまま、会員総数が1800万人という規模まで拡大してしまったことで、ポイントプログラムの一本化は「以前から議論されていたが困難だった」(松崎執行役員)という。しかし今回、会員規模が最も大きい商業施設「アトレ」において、ポイントプログラムの管理システムが刷新時期を迎えたことでようやく動き出した。

 アトレのシステムに他の商業施設で運用しているポイントプログラムの会員を寄せる形とし、ポイントプログラムの一本化に必要なシステムやデータベースの作り込みを実施した。今回の統合によりアトレのほか「アトレヴィ」「ボックスヒル取手」「シャポー」「テルミナ」「グランデュオ」の計31施設でJREポイントのカードを使えるようになる。

 積算率は税抜き100円につき1ポイントで、1ポイント=1円で使える。「エスパル」「シァル」などJR東日本が展開する他の商業施設や、クレジットカード「ビューカード」、電子マネー「Suica」のポイントプログラムも、それぞれのシステム更新に併せる形で数年掛けて順次JREポイントに合流するとしている。