三菱東京UFJ銀行が、人型ロボットや人工知能(AI)の実用化にアクセルを踏んでいる。先端技術を駆使し、他行と差異化したサービスを実現するのが狙いだ。

 2015年春には人型ロボットを店舗に試験投入し、店頭案内などで活用する。顧客の質問に音声で自動回答するモバイルアプリのリリースも検討中だ。2015年度中には、人工知能を備えた質問応答システムである米IBMの「Watson」のサービスインを予定している。

金融機関初のロボット接客

 今回試験導入する人型ロボットは、ソフトバンクモバイルが提供する「Pepper」の開発協力元である仏アルデバランロボティクスの「NAO」。高さは58センチメートルとPepperの半分程度で、同じソフトウエアをベースにしている(写真)。

写真●三菱東京UFJ銀行が試験導入する人型ロボット「NAO」
写真●三菱東京UFJ銀行が試験導入する人型ロボット「NAO」
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 三菱東京UFJ銀はNAOを店頭に設置し、一次接客で活用する予定だ。例えば、来店客が話しかけると、「ご来店ありがとうございます。ご用件はなんですか」と、身振りを交えながら音声で返答する。「引き出しをしにきた」と答えると、「ATMの場所はあちらになります」と案内する、といった具合だ。外国人顧客への接客も視野に入れており、日本語のほか英語とフランス語に対応する。

 まずは1~2店舗に試験導入する。IT事業部企画グループの山田和範調査役は、「顧客に受け入れられるか確認するのが目的だ」と語る。そこで課題を抽出し、チューニングしていくという。NAOの導入は、「恐らく金融業界ではグローバルでも初の試みだろう」(山田調査役)。