消費者同士で商品を売買するフリーマーケット(フリマ)アプリの黒船が、本格上陸に向けてカウントダウンを始めた。米Etsy(エッツィー)だ。ハンドメード(手作り品)を中心にしたフリマアプリで、利用者は世界2200万人におよび、年間流通総額は2000億円を超える。決済や配送などを日本市場向けに改良し、日本の利用者向けに無償トレーニングも始めた。国内で活況を呈するフリマアプリ市場に、強力なライバルが登場する。

ハンドメード品やビンテージ品のほか素材も取り扱う
ハンドメード品やビンテージ品のほか素材も取り扱う
(出所:エッツィー)
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 「クリエイターとしての才能にあふれていても、商品を宣伝したり売ったりした経験が乏しい人は多い。ショップ開設の教育プログラムや先駆者のノウハウを提供し、参加を促したい」。エッツィー日本代表の浅岡範子氏は、1月から2月にかけて開催した無料教育プログラム「Etsyスタート2016」の意義をこう語る。同プログラムはWebサイトを通じて、商品販売の知見を提供するもの。ショップ開設の手順や効果的な写真の撮り方、検索されやすいページの作り方などを学べるという。初めて日本で同プログラムを実施した。

エッツィー日本代表の浅岡氏
エッツィー日本代表の浅岡氏
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 エッツィーの設立は2005年。ハンドメード、つまり手作りの品々を中心に売買するフリマアプリだ。出品するのも購入するのも、原則として一般の消費者で、C2C(消費者間取引)のECと呼ばれることもある。

流通総額2100億円、日本最大アプリの倍以上

 最大の特徴は世界中に広がっている商圏の大きさだ。2014年の流通総額は19億3000万ドル(約2100億円)と、日本で最大級のフリマアプリであるメルカリの倍以上に上るとみられる。

 販売されている商品数も3200万点と巨大。内容は宝飾品や小物、家具やインテリア用品、服飾品やバッグまで多岐にわたる。ハンドメード品のほか、購入から20年以上経過した商品である「ビンテージ品」も取り扱う。