日産自動車が全世界約12万4000人のグループ従業員を対象に、人事システムの統一を進めている。クラウド型ERP(統合基幹業務システム)を採用し、人材に関する情報を一元化。地域や拠点で異なる人事評価の指標や仕組みを統一し、グローバルレベルで適切な人材配置・活用を図る体制を整える。

 同社が新システムの導入を開始したのは2013年。完了は2017年6月の予定で、足かけ4年にわたる取り組みだ。

 「人材活用に関して、我々がベンチマークとしているのは米アップルや米グーグルといった企業だ。これらの企業に引けを取らない、一流の人材が能力を発揮する場にするために新システムを活用し、改善を進めていく」。

 日産自動車 Global Digital HRのラジュ・ビジェイDivision General Managerは、2017年2月3日に開催した説明会で意気込みをこう語った。

Global Digital HR のラジュ・ビジェイDivision General Manager
Global Digital HR のラジュ・ビジェイDivision General Manager
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従来は3極体制で人事評価

 日産が人事システムの統一に踏み切ったのは、「従来の人事評価の体制に様々な課題が生じていた」(ビジェイ氏)からだ。