ヴイエムウェアは2016年2月10日(米国時間)、Software-Defined Storage(SDS)ソリューション「VMware Virtual SAN(VSAN)」の最新版VSAN 6.2を発表した。VSANなどで構成する同社のハイパーコンバージドインフラを推進したい考え。

 VSAN 6.2は重複排除や圧縮機能をサポートし、VSANストレージのコストパフォーマンスを引き上げた。「ハイパーコンバージド向けのソフトを他社に提供可能なことがヴイエムウェアの強み」(同社 チーフエバンジェリストの桂島航氏)と、VSAN環境を提供するサーバーOEMベンダーとの協業を深め、利用のしきいも下げる。

 「VMware EVO:RAIL」や「Nutanix」など、一般にハイパーコンバージドインフラは、サーバー機能とストレージ機能を1台のPCサーバー上で統合して提供する。ヴイエムウェアは、サーバー仮想化製品「VMware vSphere」、管理ツール「VMware vCenter Server」およびVSANをハイパーコンバージドソフトと位置づける。VSANはVMware vSphereのハイパーバイザーに統合されているので「ライセンスはvSphereと異なるが、vSphereをインストールすればすぐに使える」(桂島氏)。

 VSAN 6.2では、重複排除やデータ圧縮機能、イレイジャー コーディング(RAID 5/6)の搭載により、コストパフォーマンスを高めた。

写真●VMware Virtual SAN 6.2を機能強化(出所:ヴイエムウェア)
写真●VMware Virtual SAN 6.2を機能強化(出所:ヴイエムウェア)
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 重複排除機能は、データをキャッシュからデータストアへ移すタイミングで重なり合うデータを排除。「重複排除するためのオーバーヘッドは5%未満に抑えた」(同社 プロダクトマーケティングマネージャの高橋洋介氏)という。重複排除後のデータは、圧縮して格納することができる。重複排除とデータ圧縮はオールフラッシュ構成でのみ利用可能だ。

 新たに、イレイジャー コーディングをサポートし、RAID-5とRAID-6が利用可能になった。従来はRAID-1をサポートしていた。この機能もオールフラッシュ構成でのみ使える。重複排除とデータ圧縮機能、イレイジャー コーディングを合わせて使うと、ストレージの利用効率は従来の10倍に向上するという。

 VSAN 6.2は2016年第1四半期中(1~3月)に提供開始予定。市場想定価格はCPU当たり35万7000円からである。