図●IFRSや米国会計基準が採用している収益認識の考え方。五つのステップに当てはめながら、売上高の計上金額やタイミングを決める
図●IFRSや米国会計基準が採用している収益認識の考え方。五つのステップに当てはめながら、売上高の計上金額やタイミングを決める
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 日本の会計基準を作成する企業会計基準委員会(ASBJ)は2016年2月4日、売上高の計上基準である「収益認識基準」の策定に関する意見募集の文書を公表した。ASBJは金融庁直轄の財団法人、財務会計基準機構内の委員会だ。

 文書中には、「収益認識の金額や時期に影響を与える可能性のある主要な論点」の具体例として、ソフトウエアの仕様変更やアップデートなどを挙げている。このまま基準が策定された場合、ITベンダーへの影響は必至だ。

 文書はIFRS(国際会計基準)と米国会計基準が採用する収益認識基準を、日本企業の会計処理に当てはめる想定で作られた。日本にはこれまで収益認識を明確に定めた基準はなかった。

 IFRSと米国の収益認識基準では、収益認識のステップを、(1)契約の識 別、(2)履行義務の識別、(3)取引価格の算定、(4)取引価格を契約における履行義務ごとに配分、(5)履行義務ごとの収益の認識、と定めている()。