写真1●2015年2月1日付で楽天に入社した平井康文氏(撮影:陶山勉)
写真1●2015年2月1日付で楽天に入社した平井康文氏(撮影:陶山勉)
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 「社長退任時に楽天入社を考えていたかは本人しか分からない」(シスコシステムズ合同会社)。

 本誌が伝えたシスコ元社長の平井康文氏の楽天副社長就任(写真1、関連記事:【特報】シスコシステムズ元社長の平井氏、楽天の副社長に就任)。平井氏は2014年11月末でシスコ社長を退任し、2015年1月末までシスコのエグゼクティブシニアアドバイザーを務めていた。その去就を巡って様々な憶測が飛び交う中、平井氏が次の活躍の場として選んだのは楽天だった。

 平井氏は2月1日付で楽天に入社している。今後、2月20日に予定する取締役会の決議を経て、代表取締役副社長に就任する予定だ。楽天で代表取締役副社長を務めるのは平井氏が4人目。現在、CFO(最高財務責任者)を兼ねる山田善久氏、楽天カードをはじめとする金融事業を率いる穂坂雅之氏、デジタルコンテンツ事業を率いる島田亨氏の3人が副社長として注力分野を担っている。

接点の多かった楽天で4人目の副社長に

 平井氏は1983年に九州大学理学部数学科を卒業後、日本IBMに入社。39歳という異例の若さでソフトウエア事業部長に就任した。2003年にマイクロソフトに入社し、常務執行役、執行役専務を務めた後、2008年にシスコシステムズに移り、2010年から同社社長を務めた。

 一貫してエンタープライズ領域で実績を積み重ねてきた平井氏がなぜ楽天に入社したのか。唐突感はあるものの、平井氏と楽天にはこれまで数多くの接点があった。

 例えば、2013年に楽天がEC(電子商取引)モール「楽天市場」を支えるデータセンターインフラを抜本的に刷新したとき。楽天はシスコ製スイッチとネットワークインフラの効率化と運用性を向上させる「FablicPath」技術を全面採用した。