バチカン市国図書館インフォメーション・テクノロジー・センターのCIO(最高情報責任者)に当たるルチアーノ・アメンティ(Luciano Ammenti)氏は2015年1月下旬に来日し、日経コンピュータの単独インタビューに応じた。2014年から進めている蔵書のデジタルアーカイブ化プロジェクトに関して、技術的な背景と、NTTデータをパートナーに選んだ理由を語った。

写真1●バチカン図書館の外観 © Biblioteca Apostolica Vaticana
写真1●バチカン図書館の外観 © Biblioteca Apostolica Vaticana
[画像のクリックで拡大表示]

 バチカン図書館(写真1)は約8万2000冊の手書き文献を所蔵している。最古のものは2世紀ごろに書かれたとみられる。ボッティチェリの挿し絵が入ったダンテの「神曲」や、ルネッサンス期の「ウルビーノ聖書」など、史料としても美術品としても貴重なものが多数含まれる(写真2)。

写真2●バチカン図書館が所蔵する文献の例。作成当時は紙やインクの技術が発達しておらず、経年劣化が激しい © Biblioteca Apostolica Vaticana
写真2●バチカン図書館が所蔵する文献の例。作成当時は紙やインクの技術が発達しておらず、経年劣化が激しい © Biblioteca Apostolica Vaticana
[画像のクリックで拡大表示]

 完成から数百年以上経つ文献は、劣化が著しい。次世代へと確実に受け継ぐため、デジタルアーカイブ化を進めている。