2016年1月に稼働したマイナンバー制度の「カード管理システム」で障害が多発している。地方自治体(市区町村)が個人番号カード交付のために使うシステムでエラーや処理遅延が発生した。

 一部自治体では、窓口を訪れた住民が個人番号カードを受け取れなかった。カード交付という入り口からつまずいた格好だ。

 障害が起きたのは1月13日、18日、19日、21日、22日、25日の6回。システムを運用する地方公共団体情報システム機構(J-LIS)は27日時点で、「原因究明のメドは立っていない」(情報化支援戦略部企画担当)と説明する。

 カード交付の本格化に伴い、中継サーバーの負荷が増大したことが一因とみている。だが、事前の負荷テストでは異常はなかった。実運用で障害発生に至ったメカニズムは調査中とする。

 J-LISには100以上の自治体から問い合わせが殺到した。横浜市では25日に窓口を訪れた市民のうち21人にカードを交付できなかった。「理由はどうあれ、わざわざ来庁した方にお渡しできず申し訳ない」(市民局窓口サービス課)。窓口での混乱を未然に回避するため、カード交付スケジュールを見直す自治体も出ている。

[画像のクリックで拡大表示]

 J-LISの説明によれば、6回の障害はいずれも、カード管理システム内の「住基ネット中継サーバー」で発生した()。