日本ヒューレット・パッカード(HP)とデルは2015年1月下旬、業務用途を訴求するタブレット新製品を相次いで発表した。狙いは法人向けクライアント端末市場の“死守”だ。

 「今後タブレットが増えるのは間違いない」(日本HPプリンティング・パーソナルシステムズ事業統括テクノロジー・ソリューション統括本部の九嶋俊一・統括本部長)とみて、タブレットを強化する。

 日本HPの場合、法人向け端末の売上高のほとんどはPCによるもので、タブレットはまだ1割程度という。だが、タブレット導入する企業は増えている。例えば、日本航空と全日空はそれぞれ、客室乗務員全員に米アップルの「iPad」を配布している(関連記事:JALの客室乗務員が「笑顔」に専念、タブレット6000台の威力客室乗務員全員にiPadを配ったわけ)。

 従来の法人向けPC市場ではさほどシェアを持っていなかったアップルが、タブレット市場では存在感を増している。法人向けで強みを持つ日本HPとデルとしては、無視できなくなっていると考えられる。

 そこで、両社は新製品を発表し攻勢をかける構えだ。個人用に設計されたiPadにはない新機能を付加し、業務に有用であることをアピールする。

奥行きを測れる三次元カメラ

写真1●デルが2015年1月に発売した8.4型Androidタブレット「Venue 8 7000」
写真1●デルが2015年1月に発売した8.4型Androidタブレット「Venue 8 7000」
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 デルが1月27日に発売した8.4型Androidタブレット「Venue 8 7000」(写真1、関連記事:デルが厚さ6ミリの8.4型Androidタブレット、インテルの3次元カメラを初搭載)は、米インテルが提唱する三次元カメラ技術「リアルセンス(RealSense)」をタブレットで初めて搭載した(関連記事:インテル基調講演、機器が「眼」を持つ「RealSense」をアピール)。