情報処理推進機構(IPA)は2016年12月20日、情報セキュリティに関する意識調査の結果を発表した。対象は、13歳以上のパソコン(PC)ユーザーとスマートデバイスのユーザーそれぞれ5000人の計1万人。調査は、2016年10月6日から10月12日にWeb上で実施した。

 PCユーザーを対象としたパスワード管理に関する設問では、「手帳などの紙にメモする」との回答が最も多く、2番目に多かったのは「記憶している」だった(図1)。

図1 パスワードの管理方法
図1 パスワードの管理方法
自分でパスワードを管理しているパソコン(PC)ユーザー3740人が対象。複数回答。手帳などの紙にパスワードをメモしている人が最も多かった。
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 IPAでは同様の調査を毎年実施しており、前回までは「記憶」がトップ。今回、初めて「メモ」が首位になった。記憶に頼ると、覚えやすい単純なパスワードを設定しがちだ。紙にメモすれば、複雑なパスワードを設定できるので、セキュリティを高められる。ただし、メモした紙は第三者には見られないよう厳重に管理する必要がある。

ワンクリ請求やフィッシングは認知

 PCユーザーを対象に、セキュリティ用語の認知度についても尋ねた(図2)。新聞やテレビなどでもたびたび取り上げられるワンクリック請求(ワンクリック詐欺)やフィッシング詐欺の認知度は高く、「名前も概要も知らない」と答えたのは1割強にとどまった。

図2 情報セキュリティに関する用語の認知度
図2 情報セキュリティに関する用語の認知度
PCユーザーが対象。有効回答数は5000。ランサムウエアについては、6割以上が「名前も概要も知らない」と答えた。
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 一方、近年大きな脅威になっているランサムウエアの認知度は低い。6割以上が名前も知らないと回答した。セキュリティ組織などが繰り返し注意喚起をしているが、一般のユーザーにはまだまだ知られていないようだ。

 スマートデバイスユーザーへの調査では、「スマートデバイスに感染するウイルスがあることを知っているか」の設問が興味深い。32.5%が「全く知らなかった」と回答。有料の対策ソフト/サービスを使っているのはわずか15.6%だった。