年初恒例の学割キャンペーンが携帯電話大手3社から出そろった。年々、競争が激化する学割商戦だが、今期はソフトバンクが異例となる2016年12月に学割キャンペーンの第1弾を開始。他社の出方に注目が集まったが、KDDI(au)とNTTドコモが静観したことで、各社からプランが出そろったのは例年通り1月中旬となった。
2016年の学割商戦は、携帯電話大手3社が対象者に毎月5Gバイトなどのパケット容量をプレゼントするなど、大容量をアピールする方向へと競争が進んだ。そのトレンドは、その後、携帯電話大手3社が打ち出した大容量プランへとつながるなど、昨今、学割商戦は新たな料金戦略の前哨戦となる傾向がある。
今シーズンの学割商戦は、「究極の学割を作りたかった。今はMVNO(仮想移動体通信事業者)にスポットが当たっているが、MNO(Mobile Network Operator、携帯電話事業者)も頑張っているところを見せたかった」というKDDIの田中孝司社長の言葉通り、各社ともに最安値において、MVNOを意識した値付けとしている点が特徴だ。
例えばKDDIが打ち出した18歳以下の新規加入者が対象となる「学割天国 U18」は、データ通信量3Gバイトまででauスマートバリュー適用、家族のau新規同時加入という最安値となる条件で、月2980円からという値付けにした(写真1)。
ソフトバンクも2016年12月に発表した第1弾の学割に続き、2017年1月16日に第2弾の学割キャンペーン「学割モンスターU18」を発表。ほぼKDDIの学割天国 U18を踏襲した内容で、最安値となるデータ通信量が3Gバイトまでで、おうち割適用、家族の新規加入という条件で同じく月2980円からとした(写真2、写真3)。
最後発となったNTTドコモは、1月17日に「ドコモの学割」を発表。25歳以下の新規契約者に対し、月1000円(1年間)割り引く内容であり、同社も最安値となるカケホーダイライトプラン契約のシェアパック子回線の場合、月1500円から利用できるとした。「他社のように固定回線とのセット割や家族の新規加入を条件とせずにこの水準」(NTTドコモ)という点をアピールする。なおドコモは昨年、学割の適用で、家族も含めて月800円(最大12カ月)を割り引くキャンペーンを展開したが、「減収の影響が大きかった」(ドコモ幹部)として今年は取りやめた。