中古端末や書籍など中古品の買い取り・販売チェーンを展開するブックオフコーポレーション(ブックオフ)は2017年1月から、中古端末の売り場に併設する形での、修理サービスの事業化を検討する。売り場の一区画を修理の専門業者に貸し出すという協業モデルを採用する考えだ。

 まずは東京都下の直営店1店舗で協業先によるテスト販売を実施する。3カ月程度の提供期間で課題などを洗い出す。

 テスト販売は、東京都町田市内にあるブックオフの店舗で実施する。同店はチェーン店の中で最大規模の中古端末の売り場を持ち、在庫を含めて常時1000台程度を扱っているという。この売り場の一角に、技術スタッフが常駐する対面型の修理コーナーを設ける。今回のテスト販売では、丸紅傘下で携帯電話の修理や関連サポートを手掛けるモバイルケアテクノロジーズと協業し、同社がサービスを手掛ける。

 ブックオフは中古端末販売を活性化することを狙い、2015年1月に格安SIMサービスに参入した。データ通信用SIMに特化し、専門スタッフを養成しなくても中古端末とセットで端末の購入客に格安SIMを契約してもらえるスタイルを模索していた。

 しかし販売が振るわなかったため、現在は新規受け付けを終了し、ほぼサービスを終息させている。中古端末が売れても、SIMとセット購入する顧客の割合が小さかったといい、相乗効果が生まれなかった。

狙いは中古端末販売の活性化

 今回の新サービスは、自社ブランドのSIM販売に代わる新たな中古端末流通の活性化策だ。ブックオフの各店舗は、取り扱い商品が幅広く、今後も携帯電話や格安SIM販売に特化した専門スタッフは養成しない考え。一方で格安SIMや修理サービス、修理補償サービスの販売など、モバイル関連サービスを充実させることが中古端末の販売を活性化させるために不可欠との見方は変えていない。