写真1●左から米トレジャーデータの太田一樹氏、ゼンアーキテクツの岡大勝氏、ドリーム・アーツの石田健亮氏
写真1●左から米トレジャーデータの太田一樹氏、ゼンアーキテクツの岡大勝氏、ドリーム・アーツの石田健亮氏
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 2015年のキーワードは「Docker対抗」「システム内製」「高速道路化」---。2015年、IT分野でどんな技術的なトレンドがやって来そうなのか。米トレジャーデータの太田一樹氏、ゼンアーキテクツの岡大勝氏、ドリーム・アーツの石田健亮氏という業界を代表する3人のトップエンジニア(写真1)に予測してもらったところ、浮上したのがこの3つのキーワードだ。

 この3人には2013年末、2014年のITトレンド予測を依頼していた。そのとき挙がったのは「Docker」「使い捨てインフラ(Immutable Infrastructure)」「エンタープライズアジャイル」といったキーワード。これらはまさに2014年のITトレンドを象徴する言葉だった。

「Dockerブーム」その先に来るものは?

写真2●トレジャーデータの太田一樹氏(創業者兼CTO)
写真2●トレジャーデータの太田一樹氏(創業者兼CTO)
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 まずトレジャーデータの太田氏(創業者兼CTO、写真2)が挙げたのは「Docker対抗」だ。Dockerとは米Dockerがオープンソースで開発を進めているコンテナー型仮想化技術である。2013年3月に最初のバージョンが公開された新しい技術だが、急速に開発が進み、2014年一大ブームを巻き起こした。実際にクラウド関連ニュースなどでDockerというキーワードを見かける機会は確実に増えている。

 太田氏は2015年、このDockerの勢いは衰えないとしながらも、独走し続けるとは限らないと見ている。既に有力な対抗馬となりそうな技術が登場している。米CoreOSが開発するコンテナー技術「Rocket」だ(関連記事:「Dockerに欠陥」、米CoreOSがコンテナー管理ソフト「Rocket」公開)。

 太田氏は、「Dockerもまだテスト環境や開発環境の一部で使うといったケースが多く、本番環境への導入は多くの企業ユーザーがこれから検討するという段階。昨今のブームは少々盛り上がり過ぎではないかと感じるほどだ」と話す。現状では、先行するDockerがデファクトスタンダードになる可能性が最も高そうな位置にいるものの、決着が付いたわけでなく、少なくともOSS分野ではRocketの他にも様々な選択肢が今後出てくるだろうと予測する。