米Intel社が2015年4月2日に発表したLinux版のスティックPCである「Compute Stick STCK1A8LFC」。出荷が遅れていたが、ついに8月末から日本でも購入可能になった。Bluetooth対応やリカバリー機能など、Linux版ならではのメリットをレポートする。

図1●Intel Compute Stick
図1●Intel Compute Stick
本体サイズは幅103.4×奥行き37.4×高さ12.5mm。

 Compute Stickには、今回発売されたLinux(Ubuntu 14.04 LTS)版のほかに、6月12日発売のWindows 8.1版がある(図1表1)。CPUは同じで、メモリーとストレージの容量が違い、価格差は5000円ほど。Linux版の実機をテストして、Windows版に自分でUbuntuを入れる場合と比べたメリットを確認した。

表1●Windows版とLinux版の仕様
表1●Windows版とLinux版の仕様
図2●外出先のテレビやディスプレイをパソコン代わりに
図2●外出先のテレビやディスプレイをパソコン代わりに
動作保証外だが、携帯電話用のモバイルバッテリーでも動作した。

 スティックPCは、液晶ディスプレイやテレビなどのHDMI入力端子に装着して使う(図2)。USB端子が一つしかないので、最初のセットアップ時はUSBハブを利用して、キーボードやマウスなどをつなぐ必要がある。

 Linux版のメリットは、セットアップ後すぐに無線LANとBluetoothが使えることだ(図3)。Windows版にUbuntuをインストールした場合、初期状態では無線機能が使えず、手作業でドライバをインストールする必要があった。インストール後もBluetoothの動作が非常に不安定だった。Linux版なら、セットアップ後はBluetoothキーボードとマウスが安定して利用できる *1。一つしかないUSB端子をふさがずにすむメリットは大きい。

図3●最初のセットアップ時の画面
図3●最初のセットアップ時の画面
最初に言語を選び、タイムゾーンやキーボード、ユーザー名などを設定する。この時点で無線LANなどの利用も可能だ。セットアップ完了までは10分程度。