写真1●LANをつながなかったときのモ デルB+の消費電力を測ったところ
写真1●LANをつながなかったときのモ デルB+の消費電力を測ったところ
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 Raspberry Piの消費電力は次のように測った。Raspberry PiはUSBコネクタ経由で電源を供給するため、通常はACアダプター経由もしくはパソコンなどのUSBポートとつないでいるだろう。簡単には、ACアダプターに電力計を挟んで測定する方法があるが、これでは、ACアダプターの消費電力も一緒に測定してしまう。そこで今回はUSB側に電力計を入れて正しく計測した(写真1)。なおUSB用の電力計は筆者が自作したものだ。

LAN接続で200mW以上消費

 今回は有線のLANを接続したときと、しなかったときの2パターンをそれぞれのRaspberry Piで測定した(表1)。新モデルB+は、LANありで1191mW、LANなしで987mWだった。どちらもモデルBと比べて約4割、消費電力が低かった。どの場合もRaspberry Piに特別な負荷は掛けていない。またLANを接続することで、消費電力が200m~300mW上がることも分かった。

 なおモデルBの最大消費電力は3.5Wとされている(LANがないモデルAは2.5W)。これは、どれくらいの容量のACアダプターを用意すればよいのかを示すためのものであり、この最大電力を常に消費するわけではない。今回の計測結果を見ても、モデルBはLANを接続した状態でも2Wを切っていた。

 筆者はモデルB/B+を3台ずつ持っていて、それぞれ測ってみたが、モデルBの消費電力は、かなり個体差があることも分かった。最も消費電力が大きかった個体は、LANなしのときで1925mWであり、モデルB+との差は1Wに近い。一方のモデルB+の個体差はほとんどなかった。モデルB+はモデルBと比べて0.5~1W消費電力を下げたとされているが、そうした幅があるのは個体差のためかもしれない。なお表1のモデルBは最も消費電力が低かったものを示した。

 なおモデルBではUSBから供給された5Vを、LDO(Low Drop Out)という仕組みを使って、内部で利用する電圧である3.3Vや1.8Vを作り出していた。モデルB+では、これをスイッチング方式に変更して電力効率を高めた。常時稼働させるサーバーとして利用している場合など、さらに電気代を抑えられる。

表1●新旧モデルの消費電力
表1●新旧モデルの消費電力
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