ソフォスは2015年5月18日、ウイルス対策ソフト「Sophos Anti-Virus for Linux(Free Edition)」の提供を開始した。個人なら無料で利用できる。有償版に比べると集中管理機能やサポートはないものの、Ubuntu 14.04 LTSやCentOS 7などで動かせばアクセス時のスキャンが可能だ。

 最近ではオープンソースの「Clam AntiVirus」(http://www.clamav.net/)以外に、Linux向けの有用な無料ウイルス対策ソフトはなかったが、新しい選択肢が登場した。ソフォスが個人向けに無償提供を始めた「Sophos Anti-Virus for Linux(Free Edition)」(以下、Sophos Anti-Virus)だ。Sophos Anti-Virusは有償版とほぼ同等の機能を提供する。主な違いは企業向けの集中管理機能がないことと、ユーザーサポートがないことだけだ。

 Sophos Anti-Virusは、ファイルへのアクセス時にスキャンを実行する「オンアクセススキャン」の機能を備える。明示的にコマンドを実行したり、スケジュールスキャンを実施したりしないとウイルスをチェックできないClam AntiVirusとの大きな違いだ。オンアクセスは最新版のUbuntu 15.04では動作しないが、長期サポート版(LTS)のUbuntuや、CentOSなら利用できる。また日本語でインストールでき、メッセージは日本語と親しみやすい *1

 Sophos Anti-Virusの導入手順は次の通り。ここでは「Ubuntu 14.04 LTS 日本語 Remix」にインストールした。まずはWebブラウザーで公式サイトの「https://goo.gl/84Td55」にアクセス。表示されたページの「Get Started」ボタンをクリックする。「個人情報の取り扱いについて」の文書に同意し、入力フォームに氏名とメールアドレスを記入して「送信」ボタンをクリックする。「ダウンロード」ボタンが表示されるので、それをクリックする。これでSophos Anti-Virusのアーカイブファイル(sav-linux-free-9.9.tgz)を入手できる。

 入手したファイルを展開し、システム管理者(rootユーザー)の権限に切り替えて、その中のインストールスクリプトを実行する。

$ cd /tmp
$ tar zxvf ~/ダウンロード/sav-linux-free-9.9.tgz
$ sudo -s
# cd sophos-av
# ./install.sh

 図1のように対話形式でインストーラーが実行される。ここでオンアクセススキャンも有効にしよう。インストール終了後、次のコマンドを実行し、ウイルス定義ファイルの更新とスキャンも実行しておく。

図1●対話型のインストール
図1●対話型のインストール
[画像のクリックで拡大表示]
# savupdate
# savscan /

 Webベースの管理ツールも用意する(図2)。「/opt/sophos-av/bin/savsetup」を実行して設定を施せば使えるようになる。

図2●Webベースの管理ツール「Sophos Anti-Virus GUI」
図2●Webベースの管理ツール「Sophos Anti-Virus GUI」
「http://IPアドレス:8081/」でアクセスできる。