Linux技術者認定試験(LPIC)の国内の受験者数は、2015年3月時点で25万人を超えた。認定者数は同2月時点で8万8000人以上という。LPI-Japan理事の鈴木敦夫氏(写真)に、ITエンジニアにとってのLinux技術の必要性やLPIC試験が提供する価値、試験の改訂などについて聞いた。

写真1●LPI-Japan理事の鈴木敦夫氏
写真1●LPI-Japan理事の鈴木敦夫氏

Linux技術やLinux技術者を取り巻く現状を教えてほしい。

 Linuxやオープンソースソフトウエアは現在、どこでも普通に利用される技術になっている。SIerでシステム開発を手掛ける技術者、ITインフラの技術者、アプリケーション開発者など、あらゆるITエンジニアにとって、オープンソースは知らないで通ることができない技術だ。OpenStackやDockerなど注目すべき新技術も登場しており、これらの技術の適用領域を理解する上でも、Linuxの知識は必須といえる。

そうした環境で、Linux技術者に求められるのはどんなスキルか。

 システムがどのような仕組みでどう動くのかを理解し、問題や課題に直面したときに、自分の力で調べてプロアクティブに物事を考えるスキルが必要だ。オープンソースの世界には技術者の自発性、積極性を重視する文化があり、Linuxを学んでいくと、こうしたスキルが自然に身に付きやすい。

LPIC試験はLinux技術者にどのような価値を提供するのか。

 LPICの試験は、技術者の成長をリードするという視点で開発されたものだ。レベル1から3まで3段階の試験を提供しており、レベル1のスキルを前提にレベル2、レベル2を前提にレベル3、という風に、段階を追って必要な技術を認定するようになっている(表1)。

表1●三つのレベルで認定されるLPIC試験
表1●三つのレベルで認定されるLPIC試験
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