Fedoraプロジェクトは2014年12月9日、Linuxディストリビューションの新版「Fedora 21」をリリースした。「Workstation」「Server」「Cloud」の3つのエディションがあり、それぞれプロジェクト内の異なるワーキンググループで開発された。各エディションの特徴を紹介する。

 「Fedora」の最新版である、 「Fedora 21」が登場した。Fedoraは、米Red Hat社の有償Linuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux」のアップストリームに当たり、無償で利用できる。

 Fedora 21の最大の特徴は、「Workstation」「Server」「Cloud」の3つのエディションに分かれたこと。それぞれ、プロジェクト内に設けられた異なるワーキンググループによって開発された。

 ワーキンググループは、各エディションの開発を主管する「Workstation」「Server」「Cloud」の3つのほか、各エディション対して横断的な役目を果たす「Base」「Env and Stacks」の計5つある。Baseは、カーネルやパッケージ管理システムなど、Fedoraの土台となる部分の開発を受け持つ。また、Env and Stacksは言語やアプリケーションスタック全般の開発を担う。

次世代ウィンドウシステムも搭載

 Workstationエディション(写真1)では、以下の新機能や改良が加わった。まず、デスクトップ環境「GNOME」がバージョン3.14にアップデートされている。天気情報を表示する「GNOME Weather」が位置情報認識フレームワークと統合され、場所を手動で明示的に設定する必要がなくなった。ドキュメントビューアー「Evince」はデザインが見直された。

写真1●Linuxディストリビューションの新版「Fedora 21」
写真1●Linuxディストリビューションの新版「Fedora 21」
写真は、クライアント向けのWorkstationエディション。
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写真2●プログラミング環境を整えるための支援ツール「DevAssistant」
写真2●プログラミング環境を整えるための支援ツール「DevAssistant」
さまざまな言語に対応している。
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 GNOME端末なども改善された。また、ポッドキャスト管理アプリケーション「gPodder」がバージョンアップされて、動画投稿サイト「YouTube」にも対応。このほか、実験的なサポートではあるものの、次世代ディスプレイサーバー「Wayland」の搭載が目を引く。

 プログラミング環境を整えるための支援ツール「DevAssistant」も搭載された(写真2)。CやC++、Java、Pythonといった言語に対応する。プロジェクトを作成するウィザードを実行するだけで、開発に必要なソフトウエア一式が導入される。