米Neverware社は2015年10月15日、パソコンなどに「Chromium OS」を簡単にインストールできるソフト「CloudReady」を発表した。8Gバイト以上のUSBメモリーさえあれば、誰でも簡単に古いパソコンをChromebookにできる。実機や仮想環境でテストした。
米Google社が開発したノートPC型ネット端末「Chromebook」。Webブラウザー「Chrome」をはじめ、ワープロソフト「Googleドキュメント」などのWebアプリを動作させることに特化した端末だ。日本でも2014年11月から販売されて話題になった。
CloudReadyは、「Chromium OS」を用いて手持ちのパソコンを簡単にChromebook化できる無料のソフトウエアだ(図1)。Chromebookは、米Google社が開発したLinuxベースの「Chrome OS」を搭載している。そのオープンソース版が「Chromium OS」である。こちらはソースコードが公開されており、誰でも自分のパソコンで試すことができる。

とはいえ、ソースコードのダウンロードやビルドには数時間かかり、初心者にはハードルが高い。ビルド済みのイメージファイルを公開しているWebサイトもいくつかあるが、動作させてみるとパソコンによっては「内蔵ハードディスクを認識しない」「タッチパッドが動かない」といった不具合が起こる。もともとのChrome OSが限られたハードウエアを前提に開発されており、多様なデバイスに対応していないのだ。
CloudReadyでは、Neverware社がGoogle社の協力を得て、さまざまなドライバをインストーラーに組み込み、多くのハードウエアに対応している。2007年5月以降に発表されたパソコンであれば、ほぼインストールできるという*1。編集部でも、仮想環境を含め3台で成功した。
ddコマンドでUSBメモリーを作成
CloudReadyをインストールするには、まず同社のWebサイトからイメージファイルをダウンロードして展開する(図2)。これをUSBメモリーに書き込む。イメージを展開したディレクトリーに移動した上で、以下のddコマンドで8Gバイト以上のUSBメモリーに書き込む*2。

$ sudo dd if=cloudready-free-44.1.34.bin of=/dev/sdX bs=4M 
BIOSやUEFIをUSBメモリーから起動する設定にして、作ったUSBメモリーからパソコンを立ち上げる。無線LANなどでインターネットに接続すれば、Chromebook風に利用可能だ(図3)。ハードディスクにインストールするには、メニューで「Install CloudReady」を選ぶ(図4)。その後、Googleアカウントを登録すれば利用可能だ。


位置情報サービスが動作しないなど、Chromebookとは異なる点もいくつかあるが*3、動作は非常に軽い。使わなくなったノートパソコンを子供用に復活するといった用途に最適だ。