東ロボくんの受験から人工知能の未来を想像

 書名と同じ「ロボットは東大に入れるか」という研究プロジェクトを率いる研究者による著書。本書で特に興味深いのは、同プロジェクトで開発した人工知能「東ロボくん」が受けた、センター試験のプレテスト「全国センター模試」と東大の入試予想問題「東大入試プレ」という二つの模擬試験結果の解説だ。

 センター模試では、文系の3教科型で受験生の平均に迫る成績を獲得。東大入試プレでは合否判定は「厳しいもの」だったが、受験生たちが苦戦した難問に正解する奇跡も起こった。「人工知能の進歩で人間の未来がどうなるか」、著者が提示する問いに想像がふくらむ。


ロボットは東大に入れるか
新井 紀子 著
イースト・プレス 発行
1512円(税込)