PayPal創業者が語る「真の創造とは何か」

 スタートアップ企業に流れ込む資金が急増中で、2000年のネットバブル崩壊の二の舞を恐れる投資家も多い。

 だが著者の一人で、当時の狂騒を乗り切った決済サービス「PayPal」の創業者ピーター・ティール氏は、当時の呪縛が未来の創造を阻んでいると言う。試行錯誤を繰り返し、市場創造にこだわらず、改良こそ全てで、製品開発に集中するという、リスクを最小限に抑えた開発手法「リーンスタートアップ」では、決してゼロから1を生み出せないと同氏は主張する。

 「隠れた真実は探さなければ見つからない」。世に出回るイノベーション論に一石を投じる一冊と言える。


ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか
ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ 著
瀧本 哲史 序文、関 美和 訳
NHK出版 発行
1728円(税込)