ソフトウエアアーキテクチャーの基本知識と、アーキテクチャー設計の具体的な方法を解説した書。アーキテクチャー設計で重要な三つの概念―システムの実現に興味を持つ人や組織である「ステークホルダー(利害関係者)」、システムが持つ様々な側面を記述するためのパターンやテンプレートである「ビューポイント(側面的見地)」、パフォーマンスやセキュリティなどシステムの品質特性を満たすための戦術や指針である「パースペクティブ(横断的見地)」を、チェックリストなどを交えて説明する。アーキテクチャー設計のプロセスや、アーキテクトの仕事内容についても詳述してあり、これからアーキテクトを目指すエンジニアにとっても参考になる。

 翻訳書であるため入門者には難解な部分もあるが、用語をきちんと定義して説明を進める点は親切だ。また、適宜アーキテクトが悩みがちなポイントやプロジェクトの例を挟むなど、理解しやすくする工夫もある。


ソフトウェアシステム アーキテクチャ構築の原理 第2版
Nick Rozanski、Eoin Woods 著、榊原 彰 監訳、牧野 祐子 訳
SB クリエイティブ発行
5616 円(税込)