「SIガラパゴス」な日本 IT産業の未来に警鐘

 25年以上にわたりIT業界を専門記者として追い続けてきた著者が、日本企業のIT部門やITベンダーの現状に警鐘を鳴らす。世界に類を見ない「SIガラパゴス」とでも呼ぶべき特異な生態系が定着したことで、数々の不条理が生まれたとする。多重の下請け構造や人月商売は遠からず崩壊し、多くの技術者が路頭に迷う危険性すらあると訴える。

 ただ、グローバルで通用する新しい産業構造へと一気に転換を図る好機だとも語る。IT投資のあり方を学びたい経営者やシステム部門のマネジャーはもちろん、働き方や将来に不安を抱えるSEにとっても役立つ一冊である。


SEは死滅する もっと極言暴論編
木村 岳史 著
日経BP社 発行
1620円(税込)